本当にその抜歯は必要ですか?判断は誰に委ねますか?
歯列矯正は踏み出す勇気になる!
こんにちは🍀木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニック🍀です。
先日、都内歯科医院勤務の猫仲間歯科医師の人と抜歯の話をしていました。抜歯と言えば私はかつて某駅前の歯科医院で抜歯をして何ヶ月も痛みと腫れに苦しんだ経験から未だに苦々しい気持ちになります。その腫れが長期化したせいか今も右と左の顔が少し歪み、かっての位置に眉を書くと左右ズレてしまう様になってしまったのです。たかが抜歯、されど抜歯です。

猫仲間さんは、最近抜歯の仕事ばかりだとちょっとブルー!「抜歯嫌い?」と尋ねると「口腔外科医じゃないし、自分の患者さんさんじゃないし、、」「それって、よその歯科医院の抜歯やってるの?」「そうだよ!」うーん、説明してもらおうか。「歯列矯正を専門にやっているところでは抜歯を他の歯科医院に依頼するのは珍しくないよ」との事でした。
疑問が1つ。
歯列矯正って抜歯前提なの?
ここで思い出したのが娘が留学していた時の事。以前もお話したと思いますが、アメリカやカナダは歯列矯正を重要視していて、経済的な理由がない限り歯列矯正をしないという選択肢はない雰囲気に感じるほどだったと言っていました。

以前、長らくカナダに駐在していた友人と歯列矯正について話をした事がありました。その友人はお子さんが2人いて、上の子はカナダで歯列矯正をし、下の子は日本に帰国してから歯列矯正をしたそうです。やり方は同じなのか、どちらがきれいなのかという話をしました。もちろん口腔内の状態は100人いたら100人とも異なります。2人のお子さんの比較がそのままカナダと日本の比較になる程単純なものではないことは充分に承知しています。一般論だけど、と友人は前置きをした上で、カナダはまず抜歯ありきという印象を受けたと言っていました。うちの子に関しては、上の子のほうがきれいな仕上がりになっていると思うと言っていました。
歯列矯正と抜歯。
口腔内の状態、担当歯科医師によって判断が分かれるところかと思います。
1.明らかに抜歯を必要とする場合
2.抜歯をしなくても矯正出来るかもしれない場合
3.抜歯を必要としない場合
永久歯は一度抜いてしまうと再度生えてくることはありません。抜歯という選択は慎重に行う必要があります。
1.のケースとしては
歯のボリュームに対して、顎の大きさがとても小さくを並べる隙間が足りない時。

出っ歯や受け口が極端で目立つ時。
親知らずなど、その歯がある為に明らかに歯列に影響を及ぼしている時など。
娘の友達でアヒルの様な口元のお嬢さんがいたのですが、先日8年ぶりぐらいに会ったら、普通の口元になっていました。アヒル口は女性としてはとても魅力的でそれを売りにするタレントさんもいますが、本人がコンプレックスを持つのであればその限りではありません。前は口元が印象的なお嬢さんでしたが、今は口元は普通で、ぱっちりとした目元が印象に残るお嬢さんに変わっていました。歯列矯正をしたとの事でした。小顔のお嬢さんなので抜歯した可能性が高そうです。
出っ歯や受け口の程度が大きい場合には、歯を後退させる為に抜歯を行うことが多いように感じます。
上の前歯が下の前歯よりひどく張り出している場合には、抜歯を選択した方が有効であるケースが多く見られます。

一方受け口も抜歯により同様の改善を目指す例もありますが、骨を削るなど外科的な領域になることもあります。状態の程度、仕上がりをどこまで望むのかというデリケートな内容も他のケースよりもより突き詰めざる得なくなります。矯正というより審美歯科の内容までを希望される患者さんもいらっしゃいます。
カナダで生活されていた方が、カナダの方が抜歯矯正が多いと感じられたのは、抜歯、非抜歯のどちらの方法でも矯正可能に思われた時に、より抜歯という選択をする傾向にあると感じられたからなのでしょう。
一般的に幼少期から矯正を始めると口腔内も成長途中な為、非抜歯で治療できる可能性が高くなるようですが、どの程度の成長になるかは非確定要素なので仕上がりについても絶対という言葉は使えなくなります。小児矯正についてはこちらをご覧ください。

歯の1本1本は私達にとってとても大切なものである事は疑う余地もありません。しかし歯列矯正においては抜歯という手法をとる事がやむを得ないケースもあります。その判断は歯科医師に委ねられますが、ただ委ねただけでは良い患者さんとは言えません。
高額な費用もかかります。高いブランドバッグを買うのに商品を手に取らずに買いますか?車を買うのに仕様を確認せずに買いますか?もっと言うならば自分の身です。大切な家族の身です。それなのに一方的にお任せしますか?歯列矯正に於いてみなさんの望む形はどのようなものでしょうか?どこまでを完成形と思うのでしょうか?みなさんの考えを何度も何度もお聞かせください。歯科医師をはじめ当院スタッフより何度も何度も説明させて頂きます。そのコミュニケーションこそが、正しく良い選択を導くと私は信じています。

たかが矯正されど矯正なのです。
納得出来る歯列矯正は、新たな道へ踏み出す小さな勇気となりうる力を持っていると思います。
みなさんの道はどこに続いていますか?
