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子どもの受け口治療完全ガイド|適切な時期と治療法

木更津市で子供の受け口矯正治療を行っている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです🍀

お子さまの咬み合わせで「下の歯が上の歯より前に出ている」ことにお悩みの保護者の方は少なくありません。

この状態は「受け口」または「反対咬合」と呼ばれ、適切な時期に治療を始めることで、お子さまの健やかな成長をサポートできます。

今回は、歯科医師として多くの受け口治療に携わってきた経験をもとに、子どもの受け口治療について詳しく解説いたします。

 

受け口(反対咬合)とは何か?

受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前方に位置している咬み合わせの状態を指します。専門的には「反対咬合」や「下顎前突」と呼ばれています。

反対咬合

正常な咬み合わせでは、上の前歯が下の前歯を1.5mm程度覆うように位置しているのが理想的です。しかし、受け口の場合はこの関係が逆転し、下の歯が上の歯よりも前に出てしまいます。

 

受け口が引き起こす問題

受け口は単なる見た目の問題ではありません。以下のような機能的な問題を引き起こす可能性があります

– 咀嚼機能の低下:食べ物を効率的に噛み砕くことが困難になります
– 発音障害:特にサ行、タ行の発音に影響が出ることがあります
– 顎関節への負担:不自然な咬み合わせにより顎関節に過度な負担がかかります
– 歯の摩耗:特定の歯に集中的な負荷がかかり、異常な摩耗を起こすことがあります

 

早期発見の重要性

受け口は成長とともに悪化する傾向があるため、早期発見が非常に重要です。3歳頃の乳歯が生え揃った時点で、咬み合わせの異常に気づくことができれば、より効果的な治療が期待できます。

 

子どもの受け口の原因

遺伝的要因

受け口は遺伝的要因が関与していると考えられています。両親や祖父母に受け口の方がいる場合、お子さまも受け口になる可能性が高くなります。特に下顎の大きさや形状は遺伝の影響を強く受けます。

家族

 

環境的要因

遺伝的要因以外にも、以下のような環境的要因が受け口の原因となることがあります

▼悪習癖による影響
– 長期間の指しゃぶり
– 舌を前に突き出す癖(舌突出癖)
– 下唇を噛む癖
– 口呼吸の習慣

▼哺乳・離乳期の問題
– 不適切な哺乳瓶の使用
– 離乳の時期や方法の問題
– 硬い食べ物を与えない偏った食事

 

成長発育による影響

子どもの顎の成長バランスが崩れることも受け口の原因となります。上顎の成長が不足している場合や、下顎の成長が過剰な場合に受け口が発生します。

 

歯の生え方の問題

乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、歯の生える位置や角度に問題があると、一時的に受け口のような状態になることがあります。これは「仮性反対咬合」と呼ばれることもあります。

 

治療開始の適切な時期

年齢別治療アプローチ

受け口治療の開始時期は、お子さまの成長段階や症状の程度によって決定されます。

▼乳歯期(3-6歳)
この時期の治療は「早期治療」と呼ばれ、主に以下の目的で行われます
– 悪習癖の改善
– 上顎の成長促進
– 正常な咬み合わせへの誘導

乳歯期の治療では、ムーシールド(下画像)などの咬合誘導装置を使用することが多く、お子さまの負担も比較的少ないのが特徴です。

ムーシールド

▼混合歯期(6-12歳)
永久歯への生え変わりが進むこの時期は、受け口治療にとって最も重要な期間です
– 上顎の拡大治療
– 前歯の位置改善
– 顎の成長のコントロール

この時期に適切な治療を行うことで、将来的な外科手術を回避できる可能性が高くなります。

▼永久歯期(12歳以降)
永久歯が生え揃った後の治療では
– 本格的な矯正治療
– 重度の場合は外科的矯正治療も検討
– 治療期間が長期間になることが多い

 

早期治療のメリット・デメリット

メリット
– 治療期間の短縮
– お子さまの負担軽減
– 外科手術の回避可能性
– 成長を利用した効果的な治療

デメリット
– 成長期のため結果が不安定なことがある
– 追加治療が必要になる場合がある
– 長期間の管理が必要

メリット・デメリット

 

具体的な治療方法

咬合誘導装置による治療

▼ムーシールド
3-5歳頃の乳歯期や6歳以降の混合歯列期に使用される代表的な装置です。就寝時に装着することで、舌や唇の筋肉バランスを改善し、正常な咬み合わせへ誘導します。ムーシールドを使用した受け口矯正治療の症例はこちら

– 使用期間:約1年(お子様の状況によって異なります)
– 装着時間:就寝時(約8-10時間)
– 適応年齢:3歳-

ムーシールド

プレオルソ
乳歯期や混合歯期に使用されるマウスピース型の装置で、歯並びと咬み合わせを同時に改善します。

プレオルソタイプⅢ

▼拡大床による治療

上顎の成長が不足している場合に使用される装置です。上顎を横方向に拡大し、受け口の改善を図ります。

– 使用期間:数ヶ月-(お子様の状況によって異なります)
– 装着時間:食事、歯磨き意外の時間は装着
– 適応年齢:6-10歳

拡大床

▼ワイヤー矯正

永久歯期に行われる本格的な矯正治療です。

メリット
– 確実性の高い治療効果
– 細かな歯の移動が可能
– 多くの症例に適応可能

デメリット
– 見た目の問題
– 清掃の困難さ
– 治療期間が長い(2-3年)

子供ワイヤー矯正

▼マウスピース矯正

透明なマウスピースを段階的に交換して歯を移動させる治療法です。

– 装着時間:1日20時間以上
– 交換頻度:2-3週間ごと
– 適応年齢:10歳以降(歯の萌出状況による)

子供マウスピース矯正

▼外科的矯正治療

重度の骨格性受け口の場合、成長完了後に顎の手術を併用した治療を行うことがあります。

– 適応年齢:18歳以降
– 入院期間:状況によって異なる
– 保険適用の可能性:条件により適用

 

治療費用と保険適用について

受け口治療にかかる費用は、治療方法や期間、歯科医院によって大きく異なります。

早期治療(3-6歳)
– ムーシールド:15-30万円
– プレオルソ:15-30万円
– 定期検診費用:月3,000-5,000円

※当院での小児矯正は調整料をいただいておりません。

混合歯期の治療(6-12歳)
– 拡大床:30万円-
– 部分矯正:20-50万円
– 全体矯正:50-100万円

永久歯期の治療(12歳以降)
– 全体矯正:60-120万円
– マウスピース矯正:70-100万円
– 外科的矯正:保険適用で20-50万円

 

保険適用の条件

一般的な矯正治療は自費診療ですが、以下の条件を満たす場合は保険適用となることがあります

▼保険適用の条件
– 厚生労働省が定める特定の疾患が原因の場合
– 外科的矯正治療が必要と診断された場合
– 指定医療機関での治療

▼医療費控除の活用
矯正治療費は医療費控除の対象となります。年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告により税金の還付を受けることができます。

 

治療期間と通院頻度

治療期間の目安
– 早期治療:6ヶ月-2年
– 本格矯正:1-3年
– 保定期間:1-2年

通院頻度
– 装置調整:月1回
– 経過観察:2-3ヶ月に1回
– 緊急時の対応:随時

 

家族で考慮すべきポイント

受け口治療を検討する際は、以下の点を家族で話し合うことが大切です

– 経済的負担:長期間の治療費用の計画
– 時間的負担:定期的な通院の調整
– お子さまの協力:装置の使用や清掃への理解
– 治療への期待値:現実的な治療目標の設定

 

子どもの受け口治療まとめ

子どもの受け口治療は、早期発見・早期治療が最も重要です。3歳頃から咬み合わせの状態を注意深く観察し、異常を感じたら専門医に相談することをお勧めします。

治療方法は年齢や症状の程度によって選択され、乳歯期の簡単な装置から永久歯期の本格矯正まで様々な選択肢があります。費用面では自費診療が中心となりますが、医療費控除や条件によっては保険適用も可能です。

最も大切なことは、お子さまの将来の健康と笑顔のために、適切な時期に適切な治療を受けることです。治療に関する疑問や不安がございましたら、お気軽に当院へご相談ください。初めての方はLINEまたはお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。専門的な診断と個別の治療計画により、お子さまの健やかな成長をサポートいたします。

受け口治療は単なる見た目の改善だけでなく、お子さまの機能的な健康と将来の生活の質向上につながる大切な治療です。家族一丸となってお子さまの治療をサポートし、美しい笑顔と健康な咬み合わせを手に入れましょう!

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