歯並びが悪くなる原因は舌?MFTで整える口腔習慣とは
こんにちは!木更津市で子供の歯並び矯正を行なっている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックの口育士です🍀
歯並びが悪くなる原因として「舌の使い方」が関係していることをご存知ですか?遺伝や指しゃぶりだけでなく、実は舌の位置や動きも歯列に大きな影響を与えています。
正常な舌の位置は、リラックス時に舌先が上あご(口蓋)に軽く触れている状態。しかし、舌が常に下の方にある「低位舌(ていいぜつ)」になると、前歯を押すクセがつき、歯並びや噛み合わせの乱れの原因に。
さらに、舌の位置が悪いと口呼吸になりやすく、口腔内が乾燥しやすくなるなど、お口全体の健康にも悪影響を及ぼします。
このように、舌のクセは見逃されがちですが、歯並びに大きく関わる重要なポイントなのです。
MFT(口腔筋機能療法)とは?基本の考え方と目的
MFT(口腔筋機能療法)とは、舌や唇・頬など、口まわりの筋肉の正しい動かし方を身につけるためのトレーニングです。
正式には「Myofunctional Therapy(マイオファンクショナルセラピー)」と呼ばれ、歯並びや口の機能に大きな影響を与える筋肉のバランスを整える目的で行われます。
私たちは普段、無意識のうちに舌を動かしたり、唇を閉じたりしていますが、こうした動作が正しく行われていないと、歯や顎の発達に悪影響を及ぼします。たとえば、舌で前歯を押すクセがあると「出っ歯」になる可能性があります。
MFTでは、このようなクセを改善し、舌・唇・頬の正しい使い方を習得することで、自然な歯列や口元のバランスを目指します。
歯列矯正と併用することで、後戻りの予防や矯正効果の長期維持にもつながる、非常に重要なアプローチです。
よくある舌のクセとそのチェック方法
舌のクセにはいくつかの種類がありますが、特に多く見られるのが以下の3つです:
低位舌(ていいぜつ):舌が本来あるべき上あご(口蓋)ではなく、常に下に落ちている状態
舌突出癖(ぜつとっしゅつへき):舌を無意識に前へ突き出すクセ
誤った嚥下(えんげ)パターン:飲み込むときに舌で前歯を押してしまう動き
これらの舌癖は、歯列や顎の発達に大きな影響を与えます。たとえば、低位舌や舌突出癖は、前歯に継続的な圧力をかけるため、「出っ歯」や開咬(前歯がかみ合わない状態)↓を引き起こしやすくなります。
ご家庭でできる簡単なセルフチェック方法としては:
口を閉じてリラックスした状態で、舌がどこにあるかを確認してみましょう。
→ 舌先が上あごに触れていない場合は、低位舌の可能性があります。
飲み物を飲むときに、舌が前に出ていないか観察してみましょう。
→ 舌で前歯を押しているようであれば、誤嚥下のサインです。
このように、日常のちょっとした観察で、舌のクセを見つけることができます。気になる場合は、専門の歯科や矯正歯科に相談するのがおすすめです。
MFTの代表的なトレーニングと自宅でできる実践法
MFT(口腔筋機能療法)では、舌や唇・頬の筋肉をバランスよく鍛え、正しい舌の位置と動きを習得するトレーニングを行います。以下は、代表的なMFTのトレーニング例です。
● 基本の舌の位置「スポットポジション」練習
舌の先を、上あごの前歯の少し後ろの「スポット」と呼ばれる場所に置く練習です。
この位置が、舌の正しい待機ポジション。リラックスしているときにこの場所に舌があるように意識づけていきます。
● リップトレーニング(口唇閉鎖筋の強化)
唇をぎゅっと閉じてキープする運動。口をしっかり閉じる力が弱い子に効果的で、口呼吸や「お口ぽかん」対策にも役立ちます。
● ストロー飲みトレーニング
細いストローで水を飲む練習は、舌や頬の筋肉を鍛えるのに効果的。吸う力や口の中の陰圧をコントロールする感覚が養われます。
● あいうべ体操
「あー・いー・うー・べー」と口を大きく動かす体操です。
口周り全体の筋肉をバランスよく刺激し、楽しく取り組めるのが特徴です。
これらは、どれも自宅で簡単に取り組めるトレーニングばかりです。
ただし、正しいやり方を身につけるには、歯科医師やMFT指導ができる専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。継続することで、歯並びや噛み合わせ、口呼吸の改善につながる可能性が十分にあります。
いつ始めるべき?子どもの成長段階とMFTの効果的なタイミング
MFT(口腔筋機能療法)を始めるベストなタイミングは、お子さまの成長段階によって異なりますが、3歳〜小学校低学年の時期が効果的だとされています。
この時期は、乳歯列が完成し、顎や口の筋肉の発達が始まる大切な時期。さらに、舌癖・口呼吸・「お口ぽかん」などの悪習慣が見られやすいタイミングでもあります。
まだ口腔機能が柔軟に発達していく時期だからこそ、MFTを早めに始めることで習慣を自然に修正しやすいのです。
ただし、年齢よりも「どのような癖が見られるか」が重要です。たとえば、
いつも口が開いている
食べ物を飲み込むときに舌が前に出る
発音がはっきりしない
食事のペースが極端に遅い
といった兆候がある場合は、MFTの必要性が高いかもしれません。
気になるサインがあれば、年齢に関わらず早めの相談がおすすめです。歯科医院では、専門的な評価のうえでお子さまに合った時期や内容を提案できます。
舌の位置や使い方が、実は歯並びやお口の健康に大きく関係していることをご存知でしたか?
「低位舌」や「舌突出癖」などの舌のクセは、歯列の乱れや噛み合わせのトラブルを引き起こす原因になり得ます。
そこで近年注目されているのが、MFT(口腔筋機能療法)というアプローチ。舌・唇・頬などの筋肉を正しく使えるようトレーニングすることで、歯並びの改善や矯正の後戻り防止、口呼吸の予防など多くのメリットが期待できます。家庭でも取り組める簡単なトレーニングが多く、継続することで自然に正しい口腔習慣が身につきます。
お子さまの「歯並び」「発音」「食べるスピード」などが気になる場合は、ぜひ一度、口育士が在籍しMFTに対応した当院へご相談ください。将来のきれいな歯並びと健康なお口の土台づくりに、今から取り組めることがたくさんあります!