指しゃぶりが歯並びに与える恐ろしい影響といつやめさせるべきか
皆さん、こんにちは!木更津市の小児歯科、陽光台ファミリー歯科クリニックです🍀
お子さんの指しゃぶり、愛らしい行動ですよね。赤ちゃんにとって指しゃぶりは、精神的な安定をもたらす大切な行動であり、無理にやめさせる必要はありません。
しかし、その可愛らしい指しゃぶりが、実は将来のお子さんの歯並びや顎の発育に、想像以上に大きな影響を与えてしまうことをご存知でしょうか。
「いつかは自然にやめるだろう」「上の子のときも大丈夫だった」そう考えている親御さんも多いかもしれません。ですが、指しゃぶりは単なる癖ではなく、歯科的なリスクとして捉えるべき適切な「やめどき」が存在します。
この記事では、指しゃぶりが歯並びに及ぼす具体的な影響と、親御さんが最も悩む「いつやめさせるべきか」の明確な基準について、詳しく解説していきます。大切なお子さんの美しい歯並びと健やかな成長のために、ぜひ最後までお読みください。
知っておくべき!指しゃぶりが歯並びに与える具体的な「3大悪影響」
指しゃぶりの頻度や強さ、期間によって影響は異なりますが、3歳以降も続く場合に、主に以下のような3つの悪影響が歯並びや口周りに現れやすくなります。
出っ歯(上顎前突)
指が上の前歯を前に押し、下の前歯を内側に倒す力が継続的に加わることで、上顎の歯が前方に突き出し、いわゆる「出っ歯」の状態になります。この影響は、顎の骨の成長方向にも及びます。
開咬(かいこう)
指を吸う位置に、上下の前歯が当たらない隙間ができてしまう状態です。指が常に上下の歯の間にあることで、前歯が噛み合わず、食べ物が噛み切れなかったり、サ行・タ行などの発音に影響が出たりします。
交叉咬合(こうさこうごう)
指しゃぶりの際に、頬や顎に不均衡な力が加わることで、奥歯の噛み合わせが左右でずれて、顎全体が歪んでしまうことがあります。これは将来的に顔の歪みにつながる可能性もあります。
これらは単なる見た目の問題ではなく、咀嚼(そしゃく)機能や発音、さらには口呼吸の原因にもなり、健康全体に影響を及ぼすリスクがあるのです。
指しゃぶりの「やめどき」はいつ?理想的な卒業時期と長期化のリスク
「いつまで様子を見ていいのか?」これは親御さんから最も多くいただく質問です。
【結論】理想的な卒業時期は「4歳まで」
歯科医院として推奨するのは、遅くとも4歳までには卒業することです。
3歳まで: この時期であれば、仮に軽微な歯並びの変化があっても、指しゃぶりがなくなれば自然に改善する可能性が高いとされています。
4歳以降: 4歳を過ぎても指しゃぶりが続くと、永久歯が生え始める時期も近づき、上記のような歯並びの悪化が固定化しやすくなります。この時期から指しゃぶりを卒業しても、専門的な矯正治療が必要になるケースが増えてきます。
子どもの成長と発達を考えると、「4歳を一つの目安」として捉え、それまでに無理なく卒業できるよう関わっていくことが重要です。長期化すると、心のケアだけでなく、高額になりがちな矯正治療という身体的・経済的な負担も考慮しなくてはなりません。
歯科医院が推奨!子どもの心に寄り添う「指しゃぶり卒業法」
指しゃぶりは、子どもにとって不安やストレスを解消し、心の安定を保つための重要な手段です。そのため、無理に物理的な力でやめさせたり、叱ったりすることは、絶対に避けてください。かえって子どもの精神的な負担となり、他の悪い癖(爪噛みなど)に移行したり、長期化したりするリスクがあります。
1. 「心の安定」を最優先したアプローチ
指しゃぶりは不安や眠気、退屈のサインであることが多いです。スキンシップを増やし、十分な愛情を伝える時間を確保しましょう。寝る前の読み聞かせなど、指を使わず親子でリラックスできる代わりの習慣をつくり、安心感を与えてあげましょう。
2. ポジティブな動機づけと声かけ
「やめなさい」という否定的な言葉ではなく、「指を使わない手で、一緒に楽しいことをしよう!」のように、前向きな言葉で自発性を促します。指しゃぶりをしていなかった時に大いに褒めるなど、成功体験を積み重ねさせましょう。
3. 歯科医院での専門的なサポート
親御さんだけで解決が難しい場合は、ぜひ歯科医院にご相談ください。 歯並びの変化を客観的にチェックし、卒業へのモチベーションを維持します。
専門家と協力し、お子さんの心に寄り添いながら卒業を目指しましょう。
もしすでに歯並びに影響が出たら?その後の対応と治療
「うちの子、すでに少し出っ歯になっているかも…」と不安になった方もいるかもしれません。指しゃぶりによる歯並びの変化は、早期に対応することで最小限に抑えられます。
1. まずは「指しゃぶり卒業」が最優先
すでに軽微な影響が出ていても、指しゃぶりを卒業すれば、乳歯列期(5〜6歳頃まで)であれば自然に改善する可能性がまだ残されています。とにかく、指しゃぶりを「完全にやめること」が最初の治療ステップになります。
2. 歯科医師に相談し、現状を正確に把握
現状の歯並び、顎の発育状況、癖の強さなどを詳しく検査します。その上で、自然改善が見込めるか、あるいは早期に治療を開始した方が良いかを判断します。
3. 小児矯正(一期治療)という選択肢
早期の小児矯正(一期治療)は、永久歯が生えそろう前の、顎の成長を利用できる時期に行います。この時期に治療を行うメリットは以下の通りです。
・指しゃぶりなどの悪習癖を改善する
・顎の骨の成長バランスを整え、将来の大幅な抜歯を避けられる可能性を高める
・簡単な装置で、効果的に歯並びの土台を整えることができる
早期の相談こそが、お子さんの将来の歯並びを守る最善策であることを忘れないでください。
指しゃぶりと歯並び、親が持つべき「知識」と「愛情」
この記事では、歯科医師の視点から、指しゃぶりが子どもの歯並びに与える具体的な影響と、適切な「やめどき」について詳しく解説しました。
最大のポイント:3歳以降も続く指しゃぶりは、「出っ歯」「開咬」「交叉咬合」など、将来の歯並びに悪影響を与えるリスクを大きく高めます。
やめどきの目安:遅くとも4歳までに卒業することが、自然改善を見込むための理想的なラインです。
最も大切なこと:指しゃぶりをやめさせる際は、子どもの心理的な安定を最優先し、決して叱らないことです。ポジティブな声かけと、スキンシップによる安心感を与える環境づくりでサポートしましょう。
もし、お子さんがすでに4歳を過ぎて指しゃぶりが続いている場合や、歯並びへの影響が少しでも心配な場合は、お一人で悩まずに、当院へお気軽にご相談ください。LINEまたはお電話(0438-38-4854)からご予約をお取りください。
早期の相談と心に寄り添った対応こそが、お子さんの健やかな成長と美しい笑顔を守る最善の方法です!