子どもが歯をぶつけた!応急処置の方法と歯科受診のタイミング
木更津市にある子どもの歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです🦷
子どもが遊んでいて転んだり、ぶつかったりして歯をケガする事故は、日常的によくあるトラブルです。特に活発に動き回る幼児期〜小学生にかけては、運動中や遊具で遊んでいるときなど、予期せぬタイミングで口元を強打することがあります。
「血も出ていないし、見た目も大丈夫そう」と思って安心してしまうかもしれませんが、実は歯の根や神経に見えないダメージを受けている可能性も。数日後に歯が変色したり、グラグラしはじめたりするケースも少なくありません。
大切なのは、ケガ直後に落ち着いて応急処置を行い、必要に応じて早めに歯科を受診することです。この記事では、小児歯科の専門的な立場から、子どもが歯をぶつけたときに知っておきたい応急処置の方法と、受診の目安についてわかりやすく解説します。
すぐにできる!子どもの歯をぶつけたときの応急処置
子どもが歯をぶつけたときは、まず落ち着いて状況を確認することが大切です。出血している、歯がぐらついている、歯が欠けた、抜けてしまった──それぞれの状態によって適切な対応が異なります。
■ 出血しているときの対応
ガーゼや清潔なハンカチで出血している部分を優しく押さえ、止血を試みましょう。口の中は出血しやすいですが、多くは数分で止まります。10分以上出血が止まらない場合は、すぐに歯科や救急を受診してください。
■ 歯がぐらついている・抜けかけている場合
無理に触らず、食事や会話で動かさないように気をつけましょう。歯が抜け落ちそうでも、無理に抜かず、歯科での処置を待つのが安全です。
■ 歯が完全に抜けてしまった場合
歯が永久歯であれば、再植(元の位置に戻すこと)が可能なケースもあります。歯の根は絶対にこすらず、軽く水で流す程度にして、牛乳(成分無調整)や生理食塩水に浸けて保存し、30分以内に歯科へ持参してください。保存液について詳しくはこちらをご覧ください。保存するものがなければ、本人の口の中(頬の内側)に入れておく方法もあります。
■ 絶対にやってはいけないこと
歯を強くこする、ブラシで洗う
歯の根(先端)を持つ・触る
自宅で無理に元の位置に戻す
正しい応急処置をすることで、将来的な歯の保存率が大きく変わります。とにかく「触りすぎない」「急いで保存」「なるべく早く歯科へ」が鉄則です。
この症状があればすぐ歯科へ!受診の目安と判断ポイント
歯をぶつけたとき、すぐに歯科医院へ行くべきか迷うこともあるかもしれません。見た目がそれほどひどくなくても、歯や歯ぐきに見えないダメージが隠れている場合があります。以下の症状が見られたら、早めに小児歯科を受診することをおすすめします。
■ 受診が必要なチェックポイント
歯がグラグラしている、位置がずれている
歯が欠けた、または一部が割れている
歯が変色してきた(数日後〜数週間後)
歯ぐきが腫れてきた、膿が出ている
痛みが長引いている、強い違和感がある
歯が抜けた(特に永久歯)
これらの症状は、歯の神経や歯根膜、周囲の骨にダメージを受けている可能性があります。早期に適切な処置を受けることで、歯の保存や痛みの予防につながります。
■ すぐ受診が必要なケースと、様子を見てよいケースの違い
明らかに歯がずれている、出血が止まらない、痛みが強い場合は即受診が必要です。少し歯をぶつけた程度で痛みや変化がない場合でも、念のため歯科医院を受診しましょう。
■ どこを受診すればいい?
平日昼間:かかりつけの小児歯科や一般歯科へ
夜間・休日:歯科救急対応の病院や地域の救急センターを確認
抜けた歯を持参する場合は、保存状態に注意してすぐ持ち込みましょう
受診のタイミングを逃さないことが、歯の健康を守る第一歩です。
歯科医院ではどんな処置をする?検査と治療の流れ
子どもが歯をぶつけた場合、歯科医院ではまず状況を丁寧に確認し、必要な検査や処置を行います。見た目には問題がなさそうでも、内部に損傷があることがあるため、受診してしっかり診てもらうことが大切です。
■ 主な検査内容
視診(見た目や腫れ、出血の有無の確認)
歯の動揺チェック(ぐらつきの程度や方向)
レントゲン撮影(歯の根・骨・神経の損傷確認)
歯髄診断(神経が生きているかのテスト)
これらを通じて、歯や歯ぐきにどの程度のダメージがあるのかを把握します。
■ 行われる主な処置
歯の位置の調整・固定(ずれた歯を元に戻して固定)
欠けた部分の補修(詰め物や樹脂で修復)
神経の保護処置(必要に応じて根管治療)
抗生物質や鎮痛剤の処方
固定処置は1〜2週間程度行うことが多く、経過観察も含めて数回の通院が必要になる場合があります。
■ 再発予防と経過観察の重要性
一度ぶつけた歯は、しばらくしてからトラブルが出てくることもあるため、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後などの定期チェックが推奨されます。特に歯の色の変化や歯ぐきの腫れには注意が必要です。
小児歯科では、お子さんの年齢や発育状況に応じたきめ細やかな対応が可能なので、安心して相談してください。
歯をぶつけないために!家庭でできる予防と対策
歯のケガは、ちょっとした不注意や環境によっていつでも起こり得ます。すべての事故を防ぐことは難しいですが、日常の中で少し意識するだけで、リスクを大きく減らすことができます。以下は、家庭でできる予防と対策のポイントです。
■ スポーツ時はマウスガードを活用
サッカー、バスケットボール、ラグビー、スケートなど、接触や転倒の可能性があるスポーツをするお子さんには、マウスガードの着用がおすすめです。
■ 家の中や遊び場の安全対策
フローリングや階段に滑り止めマットを敷く
テーブルの角にクッションガードをつける
室内遊びで走り回らないように声かけする
椅子やソファの上でジャンプさせない
ちょっとした工夫で、転倒リスクやぶつける危険を減らすことができます。
■ 日頃からの声かけと習慣づけ
「走るときは前を見ようね」など、日常的な声かけも重要です。転倒時の手のつき方や安全な遊び方を教えることで、予防意識を自然に高めていくことができます。
事故が起こってから慌てるよりも、普段からできる備えを意識しておくことが、子どもの大切な歯を守る第一歩です。
もしものときに備えて、歯のケガへの対応を知っておこう
子どもが歯をぶつける事故は、思いがけず日常の中で起こります。出血や痛みが少ないと軽く見てしまいがちですが、見えないダメージが歯の内部に潜んでいることもあるため、適切な応急処置と早めの歯科受診がとても重要です。
この記事では、以下のポイントをお伝えしました:
出血や抜けた歯への正しい応急処置の方法
どんな症状があれば歯科を受診すべきかの目安
歯科医院で行われる検査と治療の流れ
日常生活でできる歯のケガ予防の工夫
特に永久歯をぶつけたり抜けたりした場合は、30分以内の対応が歯を救うカギとなります。「慌てず、正しく、早く」対応できるよう、保護者の方が事前に知識を持っておくことが大切です。
転ばぬ先の杖として、この記事の内容が、いざという時の安心につながれば幸いです。お子さんの歯を守るために、ぜひ参考にしてください!
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