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黒死病の恐怖と歯科医院の取り組み

先日、海外から伝えられたあるニュースに思わず「ちょっと待て、いつの時代の話だ!」と声に出してしまいました。
事のはじまりはロシアのシベリア連邦管区にあるペスト対策研究所において職員が死亡したというものでありました。一説によると実験中の試験管を誤って割ってしまったとかペスト菌感染が疑われるげっ歯類が住む森に入ったとか言われていますが、正確な情報開示はされていないようです。CNNニュースによると、ロシア保健当局は10月7日、この件について感染症が流行するリスクはないとの見解を示したそうです。一方、世界保健機関は、懸念を呼んでいる今回の事案についてさらなる情報の提供を求めていると報じていました。
アメリカのトランプ大統領も懸念を示したとも別の報道機関より伝えられていました。マルコ・ルビオ米国務長官からは、これは肺ペストの蔓延につながる可能性があるとの趣旨の発言もあったようです。当のロシア側は「原因不明の肺炎」で亡くなったと発表していました。

ペストというと以前放送された「異世界薬局」というアニメを思い出します。
2022年7月から9月まで全12話が放送されたものです。異世界に転生した主人公が不治の病ペスト菌と闘うというものです。コロナ禍と重なる描写があり、何か詰まされるものがありました。

古いものとしては、ペストをテーマにした1947年発行(日本では1969年)されたアルベール・カミュの小説「ペスト」が有名です。不条理文学・存在主義の傑作ですので、多くの方が読まれたことがあるでしょう。

ペストはネズミ、リス、プレーリードッグなどのげっ歯類を宿主とするもので、黒死病と呼ばれるものです。日本の法規制においては感染症法上の一類感染症に指定 されています。感染の仕方としては、ノミを媒介にしたもの、傷口に直接接触したもの、そして飛沫感染よるものなどがあります。種類は、腺ペスト、肺ペスト、敗血症型ペストがあり、肺ペストは致死率がとても高いものです。日本国内では1927年以降発生がないので、私を含め多くの方が過去の病と感じているのではないでしょうか?基本的には初期の段階で抗生物質の投与で治します。
しかしながら、今なお世界中で毎年数百から数千人の患者が報告されているそうです。
悪夢のようなコロナ禍が収束したのに、14世紀中頃のヨーロッパで、人口の3分の1から半分が亡くなった、古のペストの名前が出てきた事に少なからず私はショックを受けました。つまりはペスト菌は今もなお生きているのです。

様々な感染症がひろがりを見せると、歯科医院は非常に警戒感を強めます。医療機関においては当然の事ですが、特に歯科医院はお口の中の治療なので、下記のような危険が伴います。
一般社団法人 日本環境感染学会によると、歯科診療は
• 診療時に口腔粘膜に接触する
• 唾液や血液の飛散が生じやすい
• 鋭利器材を取り扱う機会が多い
• 患者間の交差感染のリスクがある
• 針刺し・粘膜曝露による医療従事者の感染のリスクがあると記述しています。

歯科治療

2017年5月に公表された厚生労働科学研究による調査によると歯を削ったりするエアタービンの取り扱いについて
• 「患者ごとに交換・滅菌」の割合:52%
• 感染症患者と分かった場合に交換・滅菌:17%
• 状況に応じて交換・滅菌:16%
• 消毒薬で清拭(拭き取り):14%
という結果が出ています。

調査後、コロナ禍があったので、今はどこの歯科医院でも2017年の結果よりはるかに厳密な衛生管理がされていると想像できます。しかしながら各医院が導入している設備に差がある為、現状として医院ごとに差が見られると言わざるを得ません。

さて、ここからは自慢です。
みなさん、注目!!
当院は世界基準の滅菌衛生管理体制を敷いております。みなさんに安心して治療に専念していただくために、治療用器具全てを患者様ごとに滅菌、消毒、使い捨てにしているのです。また空気清浄機の導入やチェアごとの衛生管理を徹底しております。

ペスト菌が今すぐ日本に襲いかかるとは思いませんが、コロナ禍を経験した私達は様々な感染症リスクに常にさらされていると身をもって知っています。また、その予防は仰々しいものではなく日々の小さな積み重ねの中にあることも理解しています。
みなさんに安全安心な治療をお届けすることは医療機関として当然の使命です。当院の静かな努力をちょっとだけ知って頂きたく今回お話をさせて頂きました。