歯の神経はぬいて良いの?悪いの? 神経の信号は何を伝えるのか?
こんにちは🍀木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニック🍀です。
お天気が安定しませんが、みなさまいかがお過ごしですか?
この時期のように気圧や気温の変化が大きいと身体に不調が生じます。私もこのような時期には10年以上前にバッキリやってしまった腰が再度悪くなってしまったように感じます。腰なので腰痛とお思いになるかもしれませんが、実は肩に激痛がはしるのです。

はじめは酷い肩こりと思っていましたが、肩を揉みほぐしてもいっこうに改善されませんでした。それで、整形外科や接骨院をはしごするうちに原因は腰にあるとわかったのです。左腰の不調が右肩痛になってあらわれたのです。神経はつながっていますし、腰をかばう動きが対角である右肩にも負担をかけたのでしょう。一部の筋肉がこってしまうことで、離れた場所に痛みの信号を送ってしまう関連痛、トリガーポイントと言われるものも原因のひとつだったようです。
身体中に神経は張りめぐらされています。まさにこの神経のイタズラと言えるでしょう。
それでは歯の神経はどこにあるのでしょうか?
歯は表面はエナメル質に覆われ、その下にやや黄色っぽい象牙質があります。その象牙質の内側に歯髄があります。

ここは歯の中心部で血管や神経の集まっているところです。私達はこの歯髄のおかげで痛みや温度の感覚を脳に伝えているのです。また歯髄は血管を通じ歯の内部から水分や栄養を送り、潤いを保つ役割もになっています。歯がズキズキ痛む、冷たい飲み物がしみるというのもここの出している信号が脳に伝わっているからです。
🦷〈歯がしみるという信号〉
私達が歯がしみると感じる時、その原因として知覚過敏、虫歯、歯周病などがあります。知覚過敏はエナメル質が削れて神経に刺激が届きやすくなってしまっている状態です。また歯周病等で歯肉が下がり歯根が露出してしまうと神経に刺激が伝わりやすくなり、しみると感じます。

🦷〈歯が痛いという信号〉
歯に痛みを感じる時、その原因として考えられるのは、虫歯が神経まで達してしまった「急性歯髄炎」や歯の根元の骨に膿が溜まってしまった「根尖性歯周炎」や「歯周病」です。虫歯が歯髄まで到達すると神経が直接刺激されるので強くズキズキと痛みます。根尖性歯周炎のように歯の根の先端から周囲の骨に細菌感染や炎症がひろがり膿がたまってしまうと歯根膜に重い痛みを感じます。歯の痛みは身体の中でも特に強く感じるところなのです。

痛みという信号の厄介なところは、痛いところが必ずしも悪いところとは限らないということです。私のように腰の状態の悪化が肩痛として現れるのと同じです。神経はつながり複雑な回路のように存在しています。例えば、上の奥歯が痛いのは下の奥歯が原因であったり、痛みの出ている歯が必ずしも悪いのではなく、隣の歯が悪かったりということはよくあります。これらは「歯痛錯誤」と言われるもので、時として、患者さんが痛い歯と違う歯を治療されてしまったと思われる事例でもあります。
痛みという信号は私達に異常を知らせてくれる大切なものです。身を守る為のものです。大切な信号を放置することだけは避けなければなりません。
しかし残念ながらこの大切な神経を歯科治療においては放棄しなくてはいけない場合もあります。これはみなさまも聞いたことのある「神経をぬく」という治療、「抜髄・根管治療」というものです。これは末期となってしまった虫歯や炎症がひどく進んでしまった状態から歯を抜かずに残すための最終手段となるものです。

しかし「神経をぬく」という手段にはメリットもデメリットもあります。
メリットとしては、ズキズキとした痛みから解放されること、自分の歯を形だけとはいえ、残すことができることです。
デメリットとしては、虫歯や炎症が起きていても気がつきにくくなること、根の先に再度細菌が感染するリスクが残っていること、また神経を抜いた歯は、時間と共に乾燥しやすくなり、色も変色しやすくなっていることなどです。
もしも感染が一部であったり、歯科医師が改善を見込めると判断した場合、マイクロスコープなどを用いて神経を残す「歯髄温存療法」が行える場合があります。
まさにこれは当院が得意とする分野です。もちろん「神経をぬく」という選択しかできないほど重症化してしまっているケースもありますが、安易に選択して良い方法とはいえません。説明させて頂いた通り神経をぬくリスクは当然あるからです。神経は我が身を守るものです。大切な信号です。ですからこのような治療が正確に行えるかどうかということを歯科医院の選択基準の1つとお考えくださっても良いかもしれませんね。
何歳になっても「美味しく食べる」幸せは手放したくはありませんから。
