しゃべる時に入れ歯が外れるのはなぜ?原因とすぐできる対策・自費入れ歯のメリット
木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです🍀
「友人と楽しくランチをしている最中、笑ったら入れ歯がポロッと落ちそうになった」 「人前でスピーチや発表をするとき、入れ歯がガタついて発音がおかしくなる」 「お孫さんと話している時に外れそうで、思い切り笑えない」

入れ歯をお使いの方にとって、会話中に入れ歯が外れる、あるいは浮き上がるという悩みは、単なる「不便」を超えて、自尊心や社会生活に深く関わる深刻な問題です。人前で話すことが怖くなり、外出を控えるようになってしまう方も少なくありません。
しかし、ご安心ください。「入れ歯は外れるのが当たり前」ではありません。 しゃべる時に入れ歯が外れるのには明確な物理的・医学的な原因があり、それを取り除くことで、もう一度自分の歯のように自然に会話を楽しむことは十分に可能です。
この記事では、入れ歯が外れる原因を徹底解剖し、保険診療での調整から、より快適さを求める方のための自費診療(精密入れ歯)の選択肢まで詳しく解説します。

なぜしゃべる時に外れるのか?考えられる3つの主な原因
お口の中は、私たちが想像する以上にダイナミックに動いています。特に「しゃべる」という動作は、舌、唇、頬の筋肉が複雑に連動します。この動きに耐えられない入れ歯には、以下の3つの問題が潜んでいます。
① 歯茎の痩せによる「隙間」と吸着力の低下
入れ歯は、歯茎との間にある唾液の膜を介して「表面張力」で吸着しています(ガラス板2枚の間に水を垂らすとくっつく原理です)。しかし、歯を失った後の土台(顎の堤)は、使っているうちに少しずつ痩せて細くなっていきます。 作った当初はぴったりだった入れ歯も、土台が痩せれば隙間が生じます。そこから空気が入り込むと、吸着がパッと切れてしまい、話すときの振動だけでポロッと外れてしまうのです。
② 周囲の筋肉(唇・頬・舌)との干渉
お口の周りには多くの筋肉があります。入れ歯の縁(ふち)が長すぎたり、厚すぎたりすると、しゃべる際に動く筋肉が入れ歯を「突き上げて」しまいます。 特に下の入れ歯の場合、舌の動きを邪魔する設計になっていると、舌を動かすたびに入れ歯が持ち上げられてしまいます。
③ 噛み合わせのバランスと「テコの原理」
意外に見落とされがちなのが「噛み合わせ」です。しゃべる時、上下の歯がわずかに接触することがあります。この際、特定の場所だけが強く当たっていたり、奥歯の高さが合っていなかったりすると、入れ歯に回転する力が加わります。 この「テコの原理」によって、支えが外れてしまい、入れ歯がガタつく原因となります。

自分でできる!外れにくくするための応急処置と注意点
歯科医院に行くまでの間、少しでも状況を改善するためにできることがあります。
・市販の入れ歯安定剤の「賢い」使い方
安定剤は、隙間を一時的に埋めるための便利なツールです。
ポイント: 厚塗りをせず、薄く均一に広げるように使いましょう。
注意点: 安定剤で無理に持たせていると、顎の骨に不自然な圧力がかかり、さらに骨を痩せさせてしまう悪循環に陥ります。あくまで「数日しのぐため」のものと考えてください。
・話し方の工夫(トレーニング)
入れ歯を安定させるためには、お口の周りの筋肉の使い方も重要です。
ゆっくり話す: 急いで話すと筋肉の動きが激しくなり、外れやすくなります。
「あいうえお」を意識する: 特に「い」や「う」の形は唇の力が強くかかるため、少し控えめに動かす練習をすると安定しやすくなります。

❌やってはいけないこと:自己流の修理
一番危険なのは、自分でヤスリで削ったり、部分入れ歯のバネをペンチで曲げたりすることです。入れ歯はコンマ数ミリ単位で設計されています。一度狂ってしまうと、プロでも修復が不可能になり、結局新しく作り直す(余計な費用がかかる)ことになります。

歯科医院で行うプロの処置:保険診療と自費診療の違い
「外れる入れ歯」を治す方法は、大きく分けて2つのアプローチがあります。
【保険診療】今の入れ歯を直す・作り直す
保険診療では、最低限の「噛む」機能を回復することを目的としています。
裏層(リライニング): 入れ歯の裏側に新しい樹脂を足して、今の歯茎の形に合わせる処置です。その日のうちに終わることも多く、吸着力が復活します。
咬合調整: 噛み合わせのバランスを整え、不要な回転力を抑えます。
保険の新調: プラスチック(レジン)製の入れ歯を新しく作ります。厚みは出ますが、安価に作成可能です。

【自費診療】より快適で「外れない」を追求する選択肢
「もっと自然にしゃべりたい」「入れ歯であることを忘れたい」という方には、自費診療(自由診療)の精密入れ歯が非常に有効です。
自費診療の入れ歯の種類
・金属床義歯:土台にチタンやコバルトクロムを使用。非常に薄く作れるため、舌の動きを邪魔せず、発音が驚くほどスムーズになります。また、熱が伝わるため食事も美味しくなります。

・ノンクラスプデンチャー:金属のバネがない入れ歯。見た目が自然なだけでなく、弾力のある素材が歯茎にフィットし、会話中もズレにくいのが特徴です。

自費診療の場合、型取りに使う材料から時間をかけた工程まで、保険診療とは全く異なります。お口の筋肉の動きを「型取り」の段階で精密に記録するため、しゃべっても踊っても外れない入れ歯を作ることが可能です。
まとめ:自信を持って会話を楽しむために大切なこと
入れ歯が外れるのを我慢して使い続けることは、精神的なストレスになるだけでなく、実は身体的なリスクも伴います。
認知症のリスク: しっかり噛めない、人との会話を避けるようになると、脳への刺激が減り、認知機能の低下を招くと言われています。
消化不良: 噛み合わせが悪いと食べ物を粉砕できず、胃腸に負担がかかります。
「しゃべる時に外れる」というのは、あなたのお口が変化し、今の入れ歯が合わなくなっているという「SOSサイン」です。

歯科医院は、ただ入れ歯を作る場所ではありません。あなたの人生の質(QOL)を向上させ、再び笑顔を取り戻すお手伝いをする場所です。保険の範囲でこまめに調整を繰り返すのも一つですし、この機会に思い切って自費の精密入れ歯で「一生ものの会話の楽しみ」を手に入れるのも素晴らしい選択です。
まずは一度、信頼できる歯科医師に「しゃべる時に困っている」と正直に打ち明けてみてください。あなたに最適な解決策が必ず見つかります。

