庭にどんぐりの森があったなら
当院でどんぐり拾いをしますか?
こんにちは🍀木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニック🍀です。
いつもの不動産オタクです。秋らしいお話をと思ったのですが、外はまだまだ暑いですね。
夏の間、娘と息子はダイエットを兼ねて家のすぐ横にある大きな公園に夜になるとランニングに行っていました。二人はランニングにいくごとになぜかカブト虫やクワガタ虫を持ち帰ってくるのでした。(大学生と社会人だぞ、おい。)
公園はカブト虫がいる事で有名らしくランニングの時に虫採り網を持った多くの親子に遭遇すると言っていました。「クヌギの木があるんだよね!」と娘と息子。要はクヌギの木の場所がわかっていないと意味がないよという事らしいです。(カブト虫を繁殖させるのは結局私だけどね!)
知り合いの歯科医師にこの話をすると先方の歯科医院でも話題になったらしく、衛生士さんのご家族が夏休みの宿題の為に子供を連れて凸したらしいと後日聞きました。
公園のクヌギの木にはそろそろちっちゃなどんぐりが出来る頃かしら、今度公園に散歩に行ってみようかしらと思いを巡らせているこの頃です。
かなり前の話です。不動産会社をやっている友人から「面白い物件でたよ、どんぐりの森だ」と連絡を貰いました。「悪いけど山を買う気はないよ」とお断りをいれると友人は自慢げに「宅地だよ」と。???と思いましたが、何かそそられる気配があり、二つ返事で一緒に出かける約束をしました。
現場に行って見ると思いっきりの高級住宅地。しかも広大な敷地。「おいおい」と友人を見ると「ふふーん」と鼻を鳴らしています。「こんな場所、高くて買えるわけないじゃない!」という私に、かなりきざんで(坪数を小さくして)売るつもりらしいと解説をしてくれたのでした。「で、どんぐりの森は?」私はその言葉に釣られてきたのです。目的を達せねば帰れません。友人はちらりと私を見るとずんずん先に進んで行きます。(ついて来いってことね!)門をくぐると少し曲がりくねったエントランスがあり、かって両脇に花々が植えられていた事が伺いしれます。その奥に少し古いですが、がっちりとした邸宅の玄関が見えて来ました。そしてその脇をエントランスから逸れて回り込んでいくと、何とそこは一面どんぐりの森だったのです。
時はまさに秋。木にも木の根元にも無数のどんぐりがありました。丸っこいクヌギではありません。小ぶりな尖ったシラカシでもありません。コナラの木でしょうか。少し西に傾きかけた日の光を浴びてそれらは輝いていました。友人は私の顔をみてにやりと笑いました。(これを見せたかったのね!)あまりの美しさにしばらく立ちすくんでいるとこの土地のオーナーである女主人が出てきました。挨拶のあと、私はどうしても気になっていた事を女主人に尋ねてみました。「どうしてどんぐりの森を作られたのですか?」と。
気さくな女主人は、娘3人にどんぐり拾いをさせたくて森を作ったこと、子育てが楽しかったこと、3人の娘さんは既に巣立ってしまった事などを話して下さいました。そして「もう森は必要なくなったのです」とも。
土地は土地にすぎません。建物も建物にすぎません。しかし物件をまわっているとたまにそこに転がっている感情を目にすることがあります。私はそんな時は出来るだけ見ないふりをします。他人の感情をトレースしてしまうとろくなことにならないからです。正しい判断を下せなくなるからです。
なのに何年たっても秋になりどんぐりを見るとあの時の女主人の寂しそうな顔を思い出します。
いつぞや当院の歯科医師の一人が「発芽させた!」とどんぐりから根が出て葉っぱがにょきっと出ているものを見せてくれました。どんぐりが収穫出来る迄何年かかるでしょうね。頑張れ!!
まさか当院のエントランスに植えるのではないでしょうね?どんぐりは落葉樹。落葉の掃除は出来ればご遠慮させて頂きたい。が、、うーん、でも当院に来て下さるお子様が楽しんで下さるなら、、、うーん、今日もスタッフはまだおきぬ、でもおきてしまうかもしれない試練に悩むのでありますw