差し歯はどこに?推理の結末は?難事件は家庭内で起きる!生命の危険も覚悟した顛末
まだまだと思うことなかれ!
こんにちは🍀木更津市で訪問歯科診療を行っている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニック🍀です。
ある日、知り合いの歯科医師が
「今日、いきなり電話があってさ、突然差し歯が消えたってと言うのよ〜」
と切り出す。思わぬ話に私は興味津々!
「それって外して何処かに置き忘れたって事ない?」
高齢女性患者さんと聞いて、即座に置き忘れをイメージした私。
「そうなんだよね、家族からの電話だったから、私(歯科医者)も同じ事を言ったのよ。そうしたら探したけどないって、、」
で、、と私は話の続きを求める。
「そこで、ふと思い出したのよ。歩けないおばあちゃんの為に訪問診療に行っているお宅なんだけど、そのおばあちゃんの差し歯が緩んでいたのよ。危ないから外して使わないようにするか、早期に作り直した方が良いよってご家族にも伝えたんだけど、、」
「それって、、、」
「念の為にご家族に病院に連れて行ってレントゲン撮った方が良いって、、」
結果を知りたい私。さらに話の続きを迫る!
結局?、、、
「結局、あったわよ、お腹の中、、、」
「お腹の中??それって危なくありません?」
「当然、危ないわよ!凄く!、、でもね、運が?ウン?が良く体外に排出されたの。」
最悪の事態が一瞬頭をよぎった私。結末を聞いてホッとする。
そこで私は既に亡くなった自分の両親、義理の両親について頭を巡らせて見ました。みんな比較的歯は良いと聞いていたけど、入れ歯あったっけ?差し歯あったっけ?全くわかっていなかった自分に愕然としてしまいました。腰が悪かった、脳梗塞の後遺症で右手が使いにくそうだった、なんて事は知っていたけど、口の中までは知リませんでした。これは介護の期間が短かったという事も理由のひとつでしょう。また、義理の母に関しては、足を悪くして要介護4だった為、働いている私では対応出来ず、あっと言う間に特養への入所が決まったという経緯もありました。だが、しかし、、、です。
このブログを読んで下さっているみなさんの多くは子育て真最中かと思います。子供は成長し、自分、夫、自分の親、義理の親、みな年齢を重ねていきますよね?否が応でも、いずれは介護の問題につきあたります。既に介護をされている方もいらっしゃるかも知れませんね。
自分の口腔内の不具合等は自分で気づきます。歯が痛い、浮いた感じがするなどの不具合を感じたら歯科医院を受診するかと思います。しかし高齢になるとそういった不具合にも鈍感になってしまいます。用事で会いに行った親の口臭が強くなっていて、びっくりして歯科医院への受診を勧めたという方もいると聞きます。年齢を重ねると、たとえ口腔内の問題が深刻化していても気がつかないのです。ですから、はじめの話の様に差し歯を飲み込んでしまっても本人は全く気がついていないのです。
この様な話を聞くと、高齢化社会において、高齢者本人が気づかない口腔内の問題を家族がどのように気づき、対応するのか、しなくてはいけないのか、、という大問題が横たわっている事に思いが至ります。
かって、認知症の高齢者で、デイサービスの食事後に、口腔内上部に差し歯が突き刺さっているのを職員が発見したという事例がありました。(食事時というよりくしゃみや咳の時の可能性もあります。)当然ですが口腔外科の対応となったと聞きます。これもまた一歩間違えれば最悪の事態となった可能性がありました。
高齢者は口腔内の感度がおちているばかりではなく、年齢による唾液減少により虫歯あるいは歯周病にもなりやすくなります。また、歯茎のやせや後退によって入れ歯や差し歯のゆるみも出やすくなります。
このような口腔内の状態を家庭や介護施設で正確に把握する事は至難の業です。またそうすることを要求されるのも的外れな感じがします。しかし把握する為のの方策を講じるのは、紛れもなく家族や介護施設のスタッフなのです。
ご家庭で介護されている場合、まずはご家族様が高齢者様に定期的に歯科医院を受診できるように手配する、あるいは受診を勧めるのが望ましいと思います。声かけは大切ですね!
もしも何らかの事情で来院される事が難しいというのであれば、訪問診療を依頼する事も出来ます。今、多くの歯科医院が訪問診療を行っています。
当院でも行っています。訪問歯科診療について詳しくはこちらをご覧ください。
そうして口腔内の状態を専門家である歯科医師により正確に判断してもらうことが大切かと思います。
生きるための基本と言える「食べる」という行為が円滑に行える事は生活の質を維持することにつながります。また「話す」という行為は、脳を活性化させ、認知機能の維持にもつながります。さらに口腔内を健全に保つ行為は、新たな病を未然に防ぐ為の大切な一要素となり得ます。
家族の健康維持の為、歯科医院の訪問診療という選択肢がある事を知って頂けたら嬉しく思います。
訪問診療について不明な点がありましたらご遠慮なく連絡下さい。ご相談承ります。