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片側だけで噛むとどうなる?顔のゆがみや肩こりを招くデメリットと改善法

木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです🍀

食事をするとき、左右どちらか決まった側ばかりで噛んでいませんか?このように左右どちらか一方の歯ばかりを使って食べ物を咀嚼する習慣を「片側噛み(かたがわがみ)」と呼びます。

片側噛みは非常に多くの方に見られる癖ですが、その多くは無意識に行われています。「両方の歯で均等に噛んでいるつもりだったけれど、意識してみたら右側ばかり使っていた」というケースは少なくありません。

歯が痛い高齢者

まずは、ご自身に片側噛みの傾向があるかどうか、以下の項目でチェックしてみましょう。

・食べ物を口に入れたとき、自然と左右どちらか決まった側に運んでいる

・ガムを噛むとき、常に同じ側で噛む方が楽に感じる

・写真を見たとき、左右で口角の高さや目の大きさが違うように感じる

・左右どちらか一方の顎の関節から「カクカク」と音が鳴る

・食事のあと、片側の頬の筋肉だけが疲れる感覚がある

2つ以上当てはまる場合、日常的に片側噛みを行っている可能性が高いと言えます。片側噛みは単なる「食べ方の癖」にとどまらず、お口の中はもちろん、全身の健康や審美面(見た目)にまでさまざまな不調を引き起こす原因となります。

 

お口の中に及ぶ3つのデメリット

片側だけで噛み続けると、最初にお口の中に悪影響が現れます。主に「噛んでいる側」と「噛んでいない側」の双方に異なる問題が生じるのが特徴です。

1. 噛んでいる側の歯の摩耗と過度な負担
本来、左右の歯で分散されるべき噛む力(咀嚼圧)が片側に集中します。人の噛む力は自身の体重と同等、またはそれ以上になることもあり、これが特定の歯に過剰にかかり続けると、歯がすり減ったり(摩耗)、最悪の場合は歯や被せ物が割れてしまう(破折)リスクが高まります。

2. 噛んでいない側の自浄作用低下と虫歯・歯周病リスク
「使っていない側は休まっているから安全」と思われがちですが、実は逆です。唾液やお口の動きには、食べカスや細菌を洗い流す「自浄作用」があります。噛んでいない側の歯は自浄作用が働きにくいため、プラーク(歯垢)や歯石が付着しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが跳ね上がります。

虫歯治療

3. 顎関節症(がくかんせつしょう)の発症
顎の関節は左右ペアで連動して動いています。片側ばかりで咀嚼すると、片方の顎関節にのみ不自然な回転運動や負担がかかります。これにより、顎を動かしたときに音が鳴る、口が大きく開かない、顎に痛みが生じるといった「顎関節症」を引き起こす大きな要因となります。

 

全身のゆがみや顔のたるみにも影響する理由

 

片側噛みの影響は、お口の中だけに留まりません。頭部や頚部の筋肉を経由して、全身のバランスを崩す原因になります。

1. 顔の左右非対称・たるみ・シワ
噛むときに使う筋肉(咬筋など)は、使えば使うほど発達し、使わなければ衰えます。片側だけで噛んでいると、頻繁に使う側の顔の筋肉が太くなり、使わない側はたるんで下がってしまいます。結果として、頬のラインや口角の高さが左右で異なり、フェイスラインの歪みやほうれい線の深さの違いとなって現れます。

鏡で顔を見る女性

2. 首・肩のこりや慢性的な頭痛
顎の筋肉は、首や肩、頭の側面の筋肉(側頭筋)と深く連結しています。片側の筋肉ばかりが緊張・疲労状態に陥ると、そのコリが首や肩へと波及します。マッサージに通ってもなかなか治らない慢性的な肩こりや頭痛の原因が、実は片側噛みにあったというケースは珍しくありません。

3. 骨盤の歪みと姿勢の悪化
人間の身体は、頭の重心が傾くと全身の骨格でバランスを取ろうとします。片側噛みによって顎の位置や頭の重心がずれると、首の骨(頸椎)から背骨、骨盤へと歪みが連鎖し、姿勢全体が悪化することがあります。

 

なぜ片側で噛んでしまうのか?考えられる原因

片側噛みを改善するためには、そもそも「なぜ片側でしか噛まなくなってしまったのか」という根本的な原因を知る必要があります。

1. 虫歯や歯周病、口内炎の放置
最も多い原因の一つが、お口の中の痛みや不快感です。「右下の歯が虫歯で痛む」「左の奥歯が沁みる」といった状態があると、無意識に痛む側を避けて反対側で噛むようになります。痛みが治まった後も、その噛み癖だけが残ってしまうことが多く見られます。

口内炎

2. 歯の抜け落ち・合わない義歯(入れ歯)や被せ物
歯を抜いたまま放置していたり、詰め物や被せ物の高さが合っていなかったりすると、しっかり噛み合わないため自然と噛みやすい側ばかりを使うようになります。

入れ歯洗浄

3. 噛み合わせや歯並びの悪さ
もともとの歯並びや噛み合わせ(不正咬合)によって、左右均等に噛むことが構造的に難しい場合もあります。特定の場所しか噛み合っていない場合、自然とその場所で噛む癖がつきます。

4. 日常生活の癖(頬杖、姿勢など)
食事以外の生活習慣も影響します。日常的に頬杖をつく、寝るときに常に同じ側を下にして横を向く、スマートフォンを不自然な姿勢で見続けるといった癖は、顎の骨の位置をズレさせ、片側噛みを誘発・悪化させます。

 

片側噛みを改善するための具体的なアプローチ

片側噛みを改善し、お口と全身の健康を取り戻すためには、歯科医院での治療とご自身での意識付けの両面からのアプローチが必要です。

1. 歯科医院で原因を治療する
まずは歯科医師によるチェックを受けましょう。

・痛みのある虫歯や歯周病の治療

・放置されている欠損歯の補綴(インプラント、ブリッジ、義歯など)

・詰め物・被せ物の高さ調整や噛み合わせの微調整

・必要に応じた矯正治療やマウスピース(スプリント)療法

痛みの原因を取り除き、左右どちらでもしっかり噛める環境(口腔環境)を整えることが第一歩です。

2. 食事中の咀嚼意識と左右均等トレーニング
お口の環境が整ったら、意識して噛み方を変えていきます。

口の奥へ均等に運ぶ: 食べ物を口に入れた際、左右の奥歯に振り分ける意識を持ちます。

回数を意識する: 右で10回、左で10回、最後に両方で10回噛むなど、カウントしながら食べるトレーニングが効果的です。

一口の量を適量にする: 口に詰め込みすぎると噛みやすい側に寄ってしまいがちなため、一口量を控えめにします。

食事をする高齢者

3. 生活習慣の見直し
頬杖をやめる、左右均等な姿勢で座る、寝相の偏りを減らすなど、顎に外力がかかる癖を改善しましょう。

 

まとめ

片側だけで噛む「偏倚咀嚼」は、単なる口元の癖と思われがちですが、歯の摩耗や虫歯・歯周病リスクの上昇、顎関節症の誘発だけでなく、顔のゆがみや慢性的な肩こり・頭痛など全身の不調へつながる大きなリスクを秘めています。

改善のためには、まず「なぜ片側で噛んでしまうのか」という原因を突き止めることが不可欠です。虫歯の痛みや合わない被せ物、噛み合わせの問題がある場合は、自己判断で直そうとせず、まずは歯科医院で適切な治療を受けて「左右で均等に噛める状態」を整えましょう。

その上で、日頃の食事で左右交互に噛む意識を持ち、姿勢や頬杖などの習慣を見直していくことが大切です。左右均等にしっかり噛む習慣を身につけて、健康なお口とバランスの整った美しさを維持していきましょう。少しでも気になる症状があれば、お気軽に歯科医院にご相談ください。