歯の治療、なんで何回も通わないといけない? 1回で終わらない理由
こんにちは🦷
木更津の歯医者陽光台ファミリー歯科クリニックの理事長の渡辺です。
短い短い秋が終わり、冬の到来です。
昨日のお昼ごろ、クリニックではわずかですが、降雪がありました。
雪が降ると「そろそろ冬だなあ」が「冬がきたなあ」に変わりますね。
そんな季節の移ろいを感じながら日々仕事に励んでいます。
さて、今回は歯医者さんの治療期間や回数の疑問についてお話していきたいと思います。
「歯医者って、何回も通院しなくちゃいけない… 治療費もかかるし…なるべく一回でまとめて治療してくれないかしら…」
と思っている方もいらっしゃるかと思います。
日本保険診療において、歯科治療は医療機関のルールに基づいて計画され、複数回に分けて行うことがよくあります。この背景には、患者の負担軽減や治療の質を保つためのいくつかの理由があります。
1. 治療の段階ごとのプロセス
歯科治療は、一般的に複数の段階を経て進行します。それぞれの段階が患者さんの口腔内の状態や治療内容によって異なるため、1回の診療では完了しない場合が多いです。
初診と検査
最初に行うのは、患者さんの症状やお悩みを詳しく伺い、口腔内全体の状態を把握するための検査です。レントゲン撮影や歯周ポケットの測定、歯並びの確認などを行い、具体的な治療計画を立てます。この診断段階は、正確な治療を進めるために非常に重要です。
当院では初診時に治療を行うことはありません。当院の初診時の流れについてはこちらをご覧ください。
治療の実施
次に、具体的な治療に入ります。例えば、むし歯の治療では、むし歯を取り除き、詰め物や被せ物をする作業が必要です。この過程では、歯を削る準備や詰め物の型取り、最終的な仕上げなど、複数回の工程が含まれることがあります。
経過観察と調整
治療が完了した後も、治療部位の状態を確認し、必要に応じて調整を行います。特に、歯の被せ物や入れ歯の場合、噛み合わせや違和感を細かく調整するために複数回の通院が必要です。
2. 治療の種類による違い
治療の種類によっても必要な通院回数は異なります。
むし歯治療
軽度のむし歯の場合は1–2回の通院で完了することが多いですが、深刻なむし歯や根管治療が必要な場合は、数回にわたる治療が必要です。根管治療では、感染部分を丁寧に除去し、根管を消毒し、最終的に充填する工程が含まれます。
当院の根管治療はこちらをご覧ください。
歯周病治療
歯周病治療は、進行状況によっては数カ月間にわたる通院が必要なことがあります。歯石除去や歯周ポケットの清掃、外科的な処置が行われることもあり、再発を防ぐための定期的なケアも欠かせません。
当院の歯周病治療はこちらをご覧ください。
矯正治療
歯列矯正は、数カ月から数年単位の治療となります。装置の調整や経過観察が定期的に必要で、長期間の通院が求められる代表的な治療です。
当院の小児矯正治療はこちらをご覧ください。
インプラント治療
インプラント治療では、手術前の診断や計画作成、手術後の経過観察、被せ物の装着といった複数のステップがあります。また、骨や歯肉の状態によっては、治療期間が長引くこともあります。
3. 保険診療のルール
歯科治療では、日本の健康保険制度に基づく保険診療が適用される場合があります。保険診療には以下の特徴とルールがあります:
保険適用範囲
健康保険は、むし歯治療や歯周病治療、入れ歯の作製、抜歯など、基本的な治療に適用されます。ただし、矯正治療、審美目的の治療(ホワイトニングやセラミック治療など)、かみ合わせが崩壊しているために全顎的な治療が必要な場合は保険の対象外となることが一般的です。
また、当院では成功率の高い自費の根管治療を行っているため、保険のルールに従って粗悪な器材、材料を使わざるおえない治療成功率の低い保険の根管治療は行っておりません。
保険診療の基準
保険診療では、治療内容や使用する材料が定められた基準に従います。例えば、銀歯やプラスチック製の詰め物は保険適用となりますが、セラミックやジルコニアなど高価な材料は自由診療として扱われます。
とりあえず、咬めれば良いというその場しのぎの治療が保険診療、自分の歯を長持ちさせる治療が自由診療とお考え下さい。
費用負担
保険制度においては、診療報酬が設定されており、治療ごとに点数が定められています。これにより、診療を受ける患者は一定の自己負担をしなければなりません。具体的には、初診料は267点、再診料は58点、歯周基本検査は200点など、治療内容に応じた報酬が設定されています(1点=10円換算)。
患者さんは治療費の一部(一般的に3割負担)を支払います。このため、自由診療と比較して経済的負担が軽減されます。
治療期間への影響
保険診療では、一度に行える治療の範囲が制限されることがあります。そのため、通院回数が増える場合がありますが、これは患者さんの負担を軽減し、治療の質を確保するためです。
4. 治療効果の最適化
歯科治療では、治療効果を最大化し、患者さんの口腔内を健康な状態に保つために、複数回の診療が重要です。一度に多くの処置を行うと、患者さんの負担が増えるだけでなく、治療の精度が下がる可能性があります。そのため、適切な間隔で治療を分けて進めることが推奨されます。
5. 患者さんの負担を考慮したスケジュール
歯科治療は、患者さんの体調やライフスタイルにも配慮して進められます。長時間の治療が難しい場合や、治療後の回復が必要な場合は、診療を複数回に分けることで、患者さんの負担を軽減します。
6. 定期的なメンテナンスの重要性
治療が完了した後も、口腔内の健康を維持するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。例えば、歯垢や歯石の除去、噛み合わせのチェック、歯周病やむし歯の早期発見などが含まれます。これらは、治療後の再発を防ぎ、健康な口腔環境を長く保つために必要です。
まとめ
歯科治療が何度も通院を必要とする理由は、治療内容の複雑さや患者さんの状態に合わせたプロセス、治療効果の最適化、患者さんの負担軽減、そして長期的な健康維持にあります。また、保険診療のルールに従うことで、経済的負担を軽減しつつ必要最低限の治療を受けることが可能です。一見手間がかかるように思えるかもしれませんが、それぞれのステップが患者さんの健康を守るために重要な役割を果たしています。患者さんのご理解とご協力が、より良い治療結果を生む鍵となりますので、ぜひ歯科医師と相談しながら治療を進めてください。
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医療法人社団悟平会 陽光台ファミリー歯科クリニック
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
PERF-JAPAN講師(根管治療)
- MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
- Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会 認定医
日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター
- アクセス‐ACCESS-
JR内房線「君津駅」よりバス・タクシーで5分
日東交通バス 君津市内循環A廻り 陽光台バス停すぐ
千葉駅からJR内房線50分 君津駅下車
高速バスで東京駅・羽田空港から60分弱 君津駅下車
高速バスで横浜駅から70分弱となります。君津駅下車
君津駅周辺だけでなく、当院のある木更津市や周辺の富津市、袖ケ浦市、市原市方面からも来院されております。
東京湾アクアラインの開通により、神奈川県と千葉県の移動が一層便利になりました。
神奈川の川崎や横浜、千葉の患者様にとって、大変アクセスしやすい立地となっています。
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