穴が開いてる歯🦷(パーフォレーション(穿孔))の治療
こんにちは。院長の渡辺です。
先日、家族と袖ケ浦にある東京ドイツ村に行ってきました。
ネモフィラとバラ🌹が見頃をむかえていました。
ネモフィラの青空のようなブルーには、気持ちを落ち着かせ、心を癒す効果があるそうです。
今回は、根管治療を複数回してもなかなか治らないと来院される患者さんの多くで起きているパーフォレーション(穿孔)についてお話させていただきます。
パーフォレーション(穿孔)とは本来あいていない根管の壁に穴があいている状態のことを言います。
原因としては、
①歯科治療中に誤ってあけてしまった(医原性)
②重度のむし歯
③歯根吸収などがあります。
この中で一番見かけるのは、「医原性」です。
お口の中で、歯の中にある髪の毛1本ほどの太さの神経の管を治療するのが根管治療ですが、
根管は図のように複雑な形態をしています。
曲がりくねっていたり、合流したり、枝分かれしたりと多様な形態をしています。
そのような根管を治療していくので、誤った方向に治療器具を進めてしまい、歯に穴をあけてしまったり、器具が折れたりなどの偶発症がおきてしまうのです。また、何度も治療することで、歯の厚みが薄くなってしまっている場合にも歯に穴が空いてしまうことがあります。
多くの場合はパーフォレーションが見つかると抜歯となります。
パーフォレーションは、CTやレントゲンなどで術前に分かる場合もあれば、処置中に判明する場合もあります。
当院では可能な限り歯を残すことに注力していますので、そのような場合でも保存できる条件であれば患者様に十分説明を行い、保存するように努めています。
患者さんの強い保存希望により治療することとなりました。
被せものと土台を外しマイクロスコープ(顕微鏡)を覗くと根管内は非常に汚れており、歯の床に大きな穴が空いています。また未処置の根管も認められます。
パーフォレーションの治療は、体との相性がよく、世界的に一番実績のあるMTAセメントを使用して修復します。(使用は保険適用外です。)
まずは、MTAセメントで修復する前に歯の中の汚れを徹底的に除去し、本来の根管を探します。
本来の根管を見つけれましたので、埋めないようした上で、MTAセメントでパーフォレーション部を修復しました。
後日、MTAセメントが硬化したのを確認してから本来の根管治療を行いました。
術前にあった不快症状、歯ぐきの腫れ、歯周ポケットも消失し経過良好です。
歯の状態も考慮して、仮歯で一年程経過を見させていただいた後、被せ物をさせていただきました。
今回は保存できましたが、どうしても歯の薄さ、歯周病の状態などにより抜歯しかない場合もあります。
当院では、患者様に現在の状況、治療によるメリット、デメリットを十分説明した上で、考えうる治療の選択肢を提案させていただいております。
そのためには診査・診断が重要になってきます。当院では、初診時には1時間お時間をいただき、カウンセリング、診査、診断、説明をさせていただいております。
一度、他院では抜歯と言われた方でも残せる可能性があるのか知りたいという方は当院までぜひご相談下さい。